まえがき
障害をかかえる方にとって、障害福祉サービスはとても大切です。
執筆者も障害福祉サービスにはお世話になっています。
でもよくわからないし、利用するハードルも高そう…と思う方もいるかもしれません。
今回は、なるべくわかりやすく障害福祉サービスについてご紹介したいと思います。
障害福祉サービスってなんだろう?
障害福祉サービスとは、障害のある方が生活していくための支援を行うサービスのことです。
このサービスは、障害者総合支援法に基づいて提供されます。
障害者総合支援法は、障害者と障害児が日常生活や社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービスなどの支援を総合的に行うための法律です。
今までの障害者自立支援法を改正するかたちで、2012年6月に成立しました。
その後、障害者の定義に難病などが追加され、障害福祉サービスの利用対象者となるかたちで、2013年4月に施行されました。
さらに2014年4月からは、重度訪問介護の対象者の拡大や、ケアホームのグループホームへの一本化などが実施されました。
障害者福祉サービスの区分
障害者福祉サービスのサービス区分は、大まかにふたつに分けられます。
介護の支援を受けるための「介護給付」と、生活や仕事に関する訓練を提供する「訓練等給付」です。
それでは、より詳しく見ていきましょう。
介護給付
訪問系
ホームヘルパーが自宅に訪問し、入浴・食事・排泄の介護など日常生活で困難なことを援助するサービスです。
日中活動系
障害のある方を介護する方が不在のときに一時的に施設で預かり、必要な介護や支援を行うサービスです。
施設系
施設に入所している方に対し、夜間や休日の支援を提供するサービスです。
入浴・食事・排泄などの介助などを行います。
訓練等給付
居住支援系
ひとり暮らしに必要な理解力や生活力などを補うため、定期的な居宅訪問や対応をするサービスです。
訓練、就労系
自立した日常生活や社会生活ができるように、一定の期間、身体機能の維持や向上のために必要な訓練を行うサービスです。
障害福祉サービスの対象者と、月ごとの利用者負担の上限
障害福祉サービスの対象者
障害福祉サービスの対象者は、以下の画像のとおりです。
障害のある方のほか、難病の方も一部対象となります。
月ごとの利用者負担の上限
障害福祉サービスは、月ごとの利用者負担に上限があります。
利用者負担の上限額は、所得に応じて以下の4つの区分に分かれます。
- 生活保護
- 低所得
- 一般1
- 一般2
自己負担分は、所得に応じて負担上限月額が設定されています。
ひと月に利用したサービスの量にかかわらず、上限以上の負担はありません。
上限額についての詳細は、以下の画像のとおりです。
障害福祉サービスの申請の流れ、利用に必要なものなど
障害福祉サービスの申請の流れ
障害福祉サービスの申請は、市区町村の窓口で行います。
窓口の名称は、お住まいの市区町村で異なります。
担当する窓口の名前がわからない場合は、市区町村の総合窓口で教えてもらいましょう。
申請の流れは以下の画像のとおりです。
障害福祉サービス利用に必要な物
障害福祉サービスを利用するためには「障害福祉サービス受給者証」(以下、受給者証と表記)が必要です。
お住まいの市区町村へ申請し、認められることで交付されます。
受給者証には、利用者の情報(住所・氏名など)や受給者証の期限、支給決定期間が記載されています。
また、サービスを提供する事業所の記載欄などもあります。
受給者証の申請には、以下のものが必要です。
印鑑
申請者の氏名や住所が確認できるもの
障害者手帳
医師の診断書もしくは意見書
他にも収入がわかる書類が必要な場合もあります。
市区町村によって異なるので、お近くの区役所などの福祉担当窓口にご確認ください。
障害者手帳が無いと、障害福祉サービスは受けられないの?
障害福祉サービスの利用には障害者手帳が必要なのか?という質問がよくあります。
事情により、障害者手帳を持っていないという方もなかにはいますよね。
結果からいうと、障害者手帳を持っていなくても、受給者証があれば障害福祉サービスを利用することができます。
では、障害者手帳を持っていない場合の受給者証の申請は、どうすればいいんでしょうか?
障害者手帳を持っていない場合に必要な物
障害者手帳を持っていない場合、以下の書類があれば受給者証の申請ができます。
自立支援医療受給者証
精神障害の場合、自立支援医療制度の対象となる場合があります。
この制度が適用されると、通常3割負担の受診料が1割負担になります。
この自立支援医療受給者証があれば障害の証明ができるので、受給者証の申請ができます。
医師の診断書または意見書
医師の診断書や意見書でも、障害があると証明できます。
ただし、身体障害の場合は障害者手帳が必要となることも多いので注意が必要です。
受給者証は更新手続きが必要
受給者証には期限があります。
期限以降も継続してサービスを受けるためには、更新手続きをする必要があります。
更新時期が近付くと、書類などで通知が送られてきます。
その書類の指示に従い、手続きをしていきます。
困ったときは相談支援事業者へ
障害福祉サービスの種類はとても多く、申請手続きも複雑です。
ひとりで手続きをするのは正直不安な方もいるでしょう。
そんな時は「相談支援事業者」に相談すると、手続きについて手伝ってもらうことができます。
相談支援事業者ってなんだろう?
相談支援事業者には、障害福祉サービスについての相談ができます。
相談室という名前で呼ばれることが多いです。
相談支援事業者は「指定一般相談支援事業者」と「指定特定相談支援事業者」のふたつがあります。
指定一般相談支援事業者
障害福祉サービスの利用についての相談に加え、地域移行支援や地域定着支援により、地域生活に関する総合的な支援を行います。
地域移行支援とは…
病院や施設などを出たあとに、自立した地域生活を目指す方の支援をします。
地域定着支援とは…
すでに自立した地域生活を送る方が、病院や施設に再入院、再入所せずに地域で生活し続けるための支援をします。
指定特定相談支援事業者
障害福祉サービスの利用についての相談に加え、サービス等利用計画案の作成や、継続してサービスを利用するための支援をします。
執筆者の体験
自分も相談支援事業者にはお世話になりました。
まず、通院している病院から、就労継続支援事業所で働いてみることを勧められました。
そして、相談支援事業者の一覧をもらいました。
最寄りの相談支援事業者に連絡をして、訪問する約束を取り付けました。
電話をしたときは、正直緊張してしまいました…
訪問すると、さまざまな就労継続支援事業所のチラシを用意してくれていました。
その中から、自分が通いたいと思ったところを決めると、見学・体験のための連絡をしてくれました。
見学・体験先にも一緒に来てくれたので、とても心強かったです。
通うことを決めた後も、サービス等利用計画案の作成を手伝ってくれたり、区役所に一緒に行ってくれたりしました。
これをひとりで行うことは、とてもじゃないけどできなかったと思います。
相談支援事業者があって助かりました!
NPO法人はなうたの障害福祉サービスについて
自分はいま、就労支援れのあに通っています。
就労支援れのあを運営するNPO法人はなうたは、2013年5月に特定非営利活動法人として設立されました。
はなうたでは、さまざまな障害福祉サービスを提供しています。
はなうたで提供している主なサービスは以下になります。
・重度訪問介護
・行動援護
・移動支援
・児童デイサービス
・居宅介護支援事業所
・就労支援
そのほかに、2013年11月にはグループ内で訪問看護事業所も開設。
現在、札幌市の数カ所において展開しています。
最後に
簡単にですが、障害福祉サービスについてご紹介してきました。
深く掘り下げていくと、サービスについてまだまだいろいろな内容が出てきます。
ここでは書ききれない色々なことが、厚労省のホームページに詳しく書いてあります。
リンクを貼っておきますので、もっと知りたい!という方は見てみてくださいね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!