はじめに
以前この記事で、障害者が登場する洋画・日本映画・韓国映画を紹介しました。
日本では、障害者の登場するアニメがいくつか作られています。
今回は、その中から長編アニメ映画を2本、短編アニメを1本（全15話から抜粋して4話）をご紹介します。
あらすじからおすすめポイントまで書いているので、気になるものがあったらチェックしてみてくださいね。
聲（こえ）の形
アニメ映画情報
再生時間:129分
制作年:2016年
制作:京都アニメーション
監督:山田 尚子
キャスト:石田 将也 （声:入野 自由）、西宮 硝子 （声:早見 沙織）、植野 直花 （声:金子 有希）、佐原 みよこ （声:石川 由依）、川井 みき （声:潘 めぐみ）
公式サイト:聲の形
あらすじ
退屈することを何よりも嫌う少年、将也（しょうや）。
小学生の彼は、転校生で聴覚障害のある硝子（しょうこ）に無邪気な好奇心を持つ。
彼女が来たことを期に、少年は退屈な日常から解放される。
しかし、将也は硝子とのとある出来事がきっかけで周囲から孤立してしまう。
心を閉ざす将也。やがて5年の時を経て、別々の高校へ通うふたりは再会する。
おすすめポイント
無邪気なゆえに残酷な、将也たちの硝子に対するいじめには心が痛くなる。
その後、周囲から孤立する将也への残酷な現実にも心が苦しくなる。
高校で再開後のふたりが少しずつ距離を縮めていく甘酸っぱさと、ヒリヒリとする痛みのような感覚にはその都度心を動かされる。
京都アニメーションの美麗な作画と動画は必見。
ジョゼと虎と魚たち
アニメ映画情報
再生時間:98分
制作年:2020年
制作:ボンズ
監督:タムラコータロー
キャスト:鈴川 恒夫 （声:中川 大志）、ジョゼ （声:清原 果那）、二ノ宮 舞 （声:宮本 侑芽）、松浦 隼人 （声:興津 和幸）、岸本 花菜 （声:Lynn）
公式サイト:ジョゼと虎と魚たち
あらすじ
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。
幼いころから車椅子の彼女はある時、危うく坂道から落ち転びそうになったところを恒夫（つねお）に助けられる。
大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけている。
ジョゼとふたりで暮らす祖母チヅは、ジョゼの注文を聞き相手をするバイトを恒夫に持ちかける。
しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に冷たく当たる。
だが、恒夫もジョゼに我慢することなく真っ直ぐにぶつかっていく。
そんな中、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが…。
おすすめポイント
ジョゼを冷たい現実から守りたい祖母の気持ちもわからないでもないが、逆にそれが残酷に感じる。
序盤は、恒夫とジョゼのやりとりに、甘酸っぱさともどかしさを覚える。
中盤、あることからジョゼが夢をあきらめてそれに恒夫がはっぱをかけるが、後半はその立場が逆転する。
そのふたりがお互いを想い行動する姿は、見ていて応援したくなる。
ラスト付近で出てくる人魚姫のストーリーは必見。
アニメ×パラスポーツ『アニ×パラ』あなたのヒーローは誰ですか
アニメ制作情報
再生時間:5分/全15話
制作年:2017年
制作:NHKエンタープライズ
公式サイト:アニ×パラ
＜概要＞
東京パラリンピック開催にあたり、NHKが短編アニメを制作しました。
各話、すべて違う有名な漫画家とのコラボが実現しています。
テーマソングもすべて違う曲、違うアーティストで構成されている、豪華仕様です。
公式サイトではゴールボール×こち亀以外の本編を見ることが出来ますよ。
今回は、全15話から抜粋して4話紹介します。
エピソード1:ブラインドサッカー×高橋 陽一
アニメ情報
アニメーション制作:日本アニメーション
監督:濁川 敦
キャスト:背番号10番の選手 （声:阿部 敦）
テーマソング:「Turn Up」OKAMOTO’S
あらすじ
少年たちはある日、視覚障害を持つ青年と出会う。
それは、ブラインドサッカーでパラリンピックを目指す日本代表の選手だった。
世界の頂点である、ブラジルとの国際試合に挑む選手たち。
研ぎ澄まされた超感覚と、繰り出されるスーパープレーでブラジルに勝利できるのか!?
おすすめポイント
5分という短いエピソードの中でも、ブラインドサッカーがどういう競技なのか分かるのがすごい。
本当に目隠しをした状態で動き回れるのか最初は半信半疑だった。
アニメを観た後に、テレビで実際に競技をしている様子を観る機会があったが、本当に縦横無尽に走っていたのでびっくりした。
キャプテン翼で有名な高橋陽一先生を再現した作画は、親しみを込めて観る事ができた。
エピソード2:パラアルペンスキー×江口 寿史
アニメ情報
アニメーション制作:日本アニメーション
監督:西村 一彦
キャスト:南川 桃 （声:松本 まりか）、岡野 都 （声:名塚 佳織）
テーマソング:「On Your Mark」Awesome City Club
あらすじ
幼い頃から両下肢の障害により、車いすの生活を送る桃（もも）。
ある日、偶然チェアスキーを体験することになり、その虜になる。
パラリンピアンの都（みやこ）と出会い、その影響で競技としてのパラアルペンスキーに向き合い始める桃。
スピードを突き詰めたい桃と、その苦悩とは…！
おすすめポイント
スピードが出ている所からの転倒から来る恐怖は、通常のスキーで体験したことがあるのでよくわかる。
そこから恐怖を克服するまでの、先輩の存在の強さには勇気を与えられる。
スピードのその先に見える景色はきっと素晴らしいものであろう。
漫画家としてもイラストレーターとしても活躍する、江口寿史先生の作画の再現は素晴らしい。
エピソード3:車いすラグビー×ちばてつや
アニメ情報
アニメーション制作:日本アニメーション
監督:前田 薫平
キャスト:上杉 陸 （声:玉山 鉄二）、日村 雄馬 （声:興津 和幸）、ジェイ・ホーガン （声:安元 洋貴）
テーマソング:「Light」MONGOL800
あらすじ
その激しさから、マーダーボールとも呼ばれる車いすラグビー。
元々ラグビー選手だった陸（りく）は、交通事故による大ケガで車いす生活になる。
パラリンピックで金メダルを獲得するという夢を抱いて、車いすラグビーを始める陸。
果たして強敵オーストラリアとの試合に勝利することができるのか…！
おすすめポイント
車いすだからこそ、ぶつかり合った時の衝撃の凄まじさには恐怖すら覚える。
この競技がマーダーボールと呼ばれるのも納得してしまう。
陸と友人との熱い友情も感じられて、グッとくるものがある。
熱い男の競技を、ちばてつや先生の作画で表現したのは大正解だと思う。
エピソード4:パラサイクリング×弱虫ペダル（渡辺 航）
アニメ情報
アニメーション制作:トムス・エンタテイメント
監督:鍋島 修
キャスト:小野田 坂道 （声:山下 大輝）、川本 翔大 （声:小野 友樹）
テーマソング:「Cycle」04 Limited Sazabys
あらすじ
東京パラリンピックで活躍した川本翔大（かわもとしょうた）選手が、「弱虫ペダル」にオリジナルキャラとして登場。
小野田坂道（おのださかみち）達は、自転車競技部の合宿中にパラリンピアンの川本選手と出会う。
片足がないにもかかわらず、高速ペダリングを武器にパラサイクリングで疾走する川本選手。
小野田坂道はじめ、弱虫ペダルお馴染みのキャラクターとの直接対決も見どころ。
おすすめポイント
実際に活躍している川本翔大選手とのコラボは、ファンには嬉しいサプライズだと思った。
坂道達と同等、いやそれ以上のスピードで走る川本選手のパワーに圧倒される。
健常者と障害者の隔たりなく、自転車を楽しむ彼らの姿は見ていてスッキリとした爽やかさを感じる。
弱虫ペダルの中の川本選手が、うまく渡辺航先生の作画に落とし込まれていてよかった。
まとめ
自分は聲の形は知っていたのですが、他の作品は恥ずかしながら知りませんでした。
ジョゼと虎と魚たちの繊細な世界観には、観ていてとても心動かされました。
パラリンピックの時にアニ×パラをやっていることを知っていたら、違う視点からより楽しめたかもしれませんね！
障害を持つゆえの現実や苦悩、周りの想いがどの作品からも感じ取れました。
今回は3つの作品を紹介しましたが、他にも障害者が登場するアニメはあるかもしれません。
ぜひ調べてみてくださいね！
ここまで読んでいただきありがとうございました！
